9月に入り、秋の気配を感じるようになってきました。
前回のお稽古ではこちらのお軸を掛けました。
「水を掬(きく)すれば月手に在(あ)り」
掬するとはすくうという意味です。
「月」が美しい9月によくお目にかかるお軸です。
夜、水をすくうと手の中に月が映っているということですが
せっかくですので、すくったときの水の冷たさは
どんなかな、とか
すくった水はゆらゆら揺れているので
月がどんな形に揺らいでいるのかな、とか
五感を最大限稼働してみてください。
お一人お一人の情景が心に浮かぶことでしょう。
禅語として読み解けば
皆の頭上にある月だけれども
すくうという行為を通して
月を手の中で感じることができる、
つまり自ら行動してはじめて
手に入るということも説いているかもしれません。