「こうろじょういってんのゆき」
炉中の赤い炭の上に
一点の雪が舞い降りる様子を思い浮かべてください。
茶室が 炭の赤、雪の白
とカラフルになってきましたでしょうか?
その白い一点の雪は次の瞬間どうなるでしょう?
ひとひらの雪を煩悩と思えば、ジュッと煩悩がきえ
茶室が清らかな場所となるでしょう。
ひとひらの雪を人の命と思えば、
人生は儚いものだと悟り、今を大切にしなくてはと
ハッとさせられるかもしれません。
武田信玄と上杉謙信が直接対決した時のことです。
謙信の振り下ろした刀を
信玄が鉄扇で振り払います。
その時信玄が発した言葉が
「紅炉上一点雪!」
(生への執着もなく 死への恐怖もない!)
といったところでしょうか。
奥が深い禅語ですね。