昔はエアコンなどありませんでしたから
お客様にいかに「涼」を感じてもらうか
亭主は心を砕いたことと思います。
水指(みずさし)の蓋の代わりに
みずみずしい葉を使って
「涼」を演出するお点前が
裏千家にはあります。
(この写真は梶の葉ですが
水指の口に比べて
ちょっと葉が大きかったかもしれません。)
この葉蓋のお点前は
十一代玄々斎(幕末の頃の裏千家家元)が
考案されました。
花入れの末広籠の中にある受筒を
水指に見立て
その上に梶の葉をのせたのが
始まりだそうです。
昔は七夕では短冊代わりに
梶の葉が使われていたことから
七夕の頃、酷暑の頃のお点前となります。
かじの葉以外にも
蓮の葉や里芋の葉も使えます。
その際、葉の真ん中に
一滴の水をコロンと
のっけておきます。
お点前の途中で
粋な演出が
お客様を楽しませてくれますよ。